園独自の食育を通じて、3つの力を幼児期に体得させます。-
-
令和5年4月から当法人食育顧問の外薗明博氏を中心に食育プロジェクト及び食農教育プログラムを企画構想し、
食育実行委員会メンバーと協働し、子どもたちの健康な体と心を育むことを目的として推進しています。
オーガニック菜園で収穫した野菜や厳選だし・無添加調味料を使用した和食中心のミネラル豊富な給食を提供することで、
子どもたちの免疫力を高め、体温を上げ、健康な体作りを目指しています。
また、食材の選定や調理方法を工夫することで、
日本の食文化を次世代に繋いでいくことも可能になると考えています。
- 「米」という字は「八十八」の組み合わせでできており、実るまでに88回も手をかけるといわれています。昨今は食の欧米化により、主食の種類が多様になっていますが、日本人の主食であるお米をより好きになるきっかけとして、素足で田んぼに入り、土の感触を五感で感じながら教職員と園児たちで1束１束丁寧に植えていきます。手間暇がかかってお米ができることを知り、お米を食べる際の「いただきます」への感謝の念が深まります。
- 学年毎に無農薬での野菜作りを体験します。植えるときはとても小さかった種や苗が、お世話をすることでぐんぐんと大きく育つ野菜の生長を日々観察し、「わ～！前よりも葉っぱが大きくなっている！？」「お水をあげたら元気になるかな～？」と野菜のいのちへ寄り添う優しい心や日常から食と農に興味関心を持つことで、“食や生きとし生けるものへの感受性”が育まれていきます。
- 「ミネラル豊富な土作り×生命力の高い野菜作り」をテーマに年間を通じてオーガニック野菜を栽培しています。土の中の有用微生物をいかに増やすかを考え、糸状菌が土を耕す環境をつくるために、肥料の代わりに地域の未利用資源である古い竹、丸太、木屑や地元農家さんからもみ殻をいただき、自然物を活用した土作りを行っています。社会で捨てられる資源を土の栄養に変え、いのちの循環を感じられる空間になっています。
- 発酵学の第一人者、小泉武夫先生（東京農業大学名誉教授）によれば、「味噌は優れた抗酸化力を持つ食品のひとつであり、生活習慣病に対するリスクを低下させる機能を持つ」といいます。 また、「生きた酵母や乳酸菌を含む発酵食中心の食生活は、健康な腸内環境を整えるのに良い」と言われています。私たち大人が日本の食文化の知恵や健康価値をもう一度深く見つめ直し、子どもたちに伝統和食や郷土料理の魅力などを伝えています。
- 年間を通して、園児たちが「おいしくな～れ！おいしくな～れ！」と大切に育てて収穫した採れたてのオーガニック野菜を、その日のうちに自園の給食室に届けます。皆で調理員さんたちに「畑で採れた野菜です！おいしい給食にしてください！お願いします！」と大きな声で唱和し、自分たちで収穫した野菜が食べられるのを楽しみにしています。幼児期にFarm to Tableを体験することで野菜への愛着が育まれ、苦手意識がなくなります。
「1日の食事の3分の2は家庭での食事」です。昔のように家庭や社会のなかで祖父母世代からより良く生きるために必要な食生活の知恵を受け継ぐ機会が年々減っています。園での食育活動だけではなく、家庭の台所を担う“お父さん・お母さんと一緒に子どもが健康で元気になる食事や食卓を考える場”が必要だと考えています。毎年、皆さんがご家庭でも実践できる楽しく、役立つ食育企画を発信していきますので是非ご参加ください。
参加者の声
- 和食は作るのが大変なイメージがあったけど、効用や取り入れ方を知り観方が変わりました！
- 「普段はだしパックを使って料理をしますが、飲み比べ体験で素材からだしを取る方が風味も香りも良く、こんなにも違うのかと衝撃でした。」「３分つき米がこんなにホクホクで香り、食感が良いとは知りませんでした。」
ここまでにご紹介した博多東幼稚園の食育プロジェクトは、動画でもご覧いただけます！